kanaeさん
インタビュー&記事:kon.
みなさんはどんな仕事をしていますか?
今回インタビューさせていただいたkanaeさんは,最近新しい仕事を始めたばかり。
彼女と私は大学時代からの友人で,
一緒に教員採用試験を受け,同期として教員生活をスタートした“元教員仲間”なんです。
先に転職した私がいうのもなんですが,
今年度いっぱいで教員を辞めて,転職するということをkanaeさんから聞いた時には,とても驚きました。
何でも卒なくこなし,周りからの信頼も厚いkanaeさんが辞めるなんて……!
それと同時に,
「新しいことをやってみたい」
というkanaeさんがどんな仕事を始めるのか,とても興味がありました。
私もそうでしたが,「仕事を変える」って自分の生活や心境がガラリと変わるもの。
今回は,kanaeさんの転職活動や仕事への考え方を中心に,インタビューさせてもらいました。
△kanaeさん
––––まずは転職おめでとうございます!!
ありがとう〜!
––––転職活動をする中での軸みたいなものってある?
一番は,自分がちゃんとやりがいを感じるかどうかを重視していたかな。
教員の仕事には本当にやりがいを感じていたから,それと同じように熱をもって向き合えるかどうかを大切にしていた。
教員以外の仕事って恥ずかしながら全然知らなくて……
でも新しい仕事を探せば探すほど「興味があるものってたくさんあるんだ!」って気づくことができた。
その中でも「自分にとって生きがいになるもの」という目線で探すようにしていた。
––––「やりがいや生きがいが感じられるか」が,転職の時の軸だったんだね。
kanaeさんはどいう時にやりがいを感じる?
うーん,月並みな言葉になってしまうけど,
「誰かの役に立ちたい」というのがあって。
教員の時も子どもたちが喜ぶ顔が好きだったし,誰かの役に立っていると実感できるような仕事がしたいと思ってた。
––––なるほど! そういえば,あんまりを職種を絞ってなかったよね?
そう。全然絞っていなかった。
インテリア,出版社,IT系……少しでも興味のあるものは職種問わず色々と受けてた。
教員ではない「新しいこと」をとにかくやってみたくて。
ずっと教員の世界しか知らなかったから,他の世界に飛び込んでみたいという気持ちが大きかった。
△インテリア業界も受けたという
kanaeさんのオシャレな部屋
––––転職活動を通していろいろな人と出会ったと思うけど,面接をしていく中で感じたことはある?
まず感じたのは,会社によって「教員」という前職の受け止め方が全然違うこと。
面接の時,王道を通ってるというか,今まで安定を選んできたみたいな意味で「すごくシンプルな履歴書だね。」って嫌味を言われることもあって。
経験値も少なく見られて「教員しかやってこなかったんだね〜。」と言われたり,「教員は世間からずれている」という見方をされたりすることもあったな。
––––そうなんだ。人によって反応はさまざまだね。
面接の時,自分が重視して見ていたのはどんなところ?
「どんな社風か」というところをよく見たかな。
面接の仕方から,会社の全体像をなんとなく把握しようとしたよ。
面接や筆記試験のやり方の効率が悪い会社は,「昔からの習慣が続いていて,改善しようとしてないのかな」と,保守的なイメージを受けたし,仕事内容や契約内容の説明が具体的ではない会社は,曖昧に物事を進めてしまいそうな社風だなと思ってしまったし。
今の会社は,一次面接からオンラインで,「なかなか進んでいるかも」と,好印象を受けた。
働いている人の雰囲気とか,対応のスピード感とかを重視していた。
––––最終的にはIT系の会社に決めたんだよね!
決め手は,面接時の対応とかも見て,自分の働くイメージがもてたところなのかな?
うん! IT系は興味のあることのひとつだったし,面接を通してここで働く自分が想像できた。
働いている姿が想像できるってすごく大切。
今の会社は,教員の経験を重宝してくれていているのが面接の時に伝わってきて,それも嬉しかった。
教育現場にサービスするという事業部でもあるから,教員の声を知りたいって言ってくれたんだよね。
IT系のことはわからないことだらけで,必死で勉強しなきゃと思ってるけどね。
△転職後,必需品となったもの
––––自分が今まで力を入れて取り組んでいた教員の仕事が生かせるし,興味のあったIT関連の職場で新しいことを学べるし,すごくぴったりだね!!
そうなの。
新しいことをやってみたいと思っていたけど,教員の仕事も頑張ってきたから,それを生かせるのは嬉しい。
––––自分ってこうだなって転職を通して感じたことはある?
決めたらぱっと行動することは自分らしいところだと思った。
今回の転職について「安定を捨ててまですごいね。」って友達に言われたりもしたんだ。
現状を変えたいという思いをもっていてもなかなか動けない人が多い中,自分は「こうする」って決めたらとことん動くタイプなんだと思う。
今回の転職活動を通して,それは自分の個性かなって思えた。
面接の時も,「決めたら途中で投げ出したりはしない」という自分の粘り強さみたいなものは,伝えたいと思っていたよ。
△kanaeさんお気に入りのお仕事グッズ
––––転職活動で,自分とも改めて向き合ったんだね。
働き出して,一番変わったことはどんなこと?
仕事の内容はもちろんだけど、仕事への意識が教員時代と大きく変わった。
教員の時は年間行事が決まっていて、ある程度先を見通せていたし、先輩方が道のりを示してくれていた。
だけど会社では、どんどん新しいプロジェクトが立ち上がる。前例なんてないものばかり。
どう業務内容を分担するか、どうすれば情報共有がスムーズか、全部0から考えて構築していくんだ。
なるべく生産性を高く、効率よく仕事しないと、商売として成り立たない。
会社の人がどんどんアイデアを出して業務フローを改善していく様がすごく勉強になる。誰かに道を示してもらった方が楽だなぁというのが本音だけど(笑)、自分で道を切り開いていく力を身につけねばと思ってるよ!
今,通勤電車の中で必ずニュースをチェックしているんだけど,車で通勤していて,朝早くから夜遅くまで働いていた教員時代にはできなかった。
正直,忙しさで情報収拾する余力が残っていなかったんだよね。
今の会社はみんな情報に敏感で,最初は自分が世の中を知らなくて恥ずかしかった。
––––それわかる!
私も教員の時ってそういうところに鈍かったなと思う。すごく受け身だったもん。
会社は,世の中で何が起こってて何が必要かを考えることで,新しい商品が生まれるから,常に世の中に敏感でなければいけないよね。
そう!!受け身だった!
教員は,もうすでに学んできたことを子どもたちに教えるわけでしょ?
自分が今まで習っていたことをもう一度復習して,どう教えるかを考えていることが大半だから,常に新しいことを吸収していなくても何とかなるんだよね。
私は教員の5年間,世間に比べて時が止まっていたと反省したよ……。
新聞も読むようになったし。
教育新聞もよく読むよ!
教員時代にも目を通しておくべきだったなぁと思う。
忙しさは今も同じだけど、その中でも時間をうまく使って情報収拾に当てたりして,自己研鑽に使う時間が圧倒的に増えたよ。
––––生き生きと働いているのが伝わるよ!
今,仕事のことで目標にしていることはある?
社長の「組織に依存しないことを目標に」という言葉が耳に残っていて。
ゆくゆくは,どこでも通用するスキルを身に付けたいと思ってる。今はとにかく,この会社でITのスキルをしっかり身に付けたいと思っている。
大事にしていることは,自分から学ぶこと。
IT機器の使い方ひとつにしても,今まで全然機能を使いこなせていなかったことを知ったんだよね。
ありがたいことに,どんどん最新のものを試したり比較したりする環境が社内にはあるから,積極的に学んでいきたい。
△IT機器が整った
kanaeさんのプライベート環境
転職してよかったと,日々思ってる。
転職しなかったら気づかなかったことがたくさんあった。
思い切ってチャレンジしなかったら,私は今でも世の中に疎いままで,ICTからも程遠い生活を送っていたんだと思う。
––––転職によって世界がすごく広がったね!
どうしようって迷ったらやってみたほうがいいね。
うん!「迷ったらやってみる」!!
今までもそうやってきて,それで結果的に良かったから。
心理学で「現状維持バイアス」というのがあって,人間って、たとえ有益であったとしても、知らないものや経験したことのないものを受け入れるのは心理的な抵抗が生じて、現在の状況に固執してしまうんだって。
なるほどな〜と思って。
私も教員という仕事を手放すのはすごく怖かったから。
手放すことの恐怖と,新しく他へ移った時のメリットを人間って正確に量れないんだよ。
だからどうしても恐怖のほうが勝ってしまって,たいていの人は動けない。
恋愛もさ,別れて違う人と付き合った方が幸せってわかっていても,別れる辛さとか今までの情?みたいなもので,ずるずる付き合っちゃうことってあるでしょ?笑
それは人間に「現状維持バイアス」が自然と働いているからなんだ。
私は,人間のそういう少し弱い性質も理解しつつ,その上で現状に満足してないのなら,「思い切ってやってみたほうがいい!やってみよう!」と思う。だってやってみないとわからないから。 周りにkon.とか実耶とか,恐怖を顧みずに挑戦する人がいたことも励みになったよ。
(kanaeさんは実耶の友人でもあります!)
勇気を出して転職活動に踏み切って,新しい世界に飛び込んで,得たものがすでにたくさんある。
今の生活をすごく楽しんでいるよ!
・
・
・
☆
“Why do we have to work?”
中学校の英語の教科書には,この問いに対する世界各地の考え方が紹介され,それについて中学生がディベートをするという教材があります。
お金のため,家族のため,自己実現のため,仕事自体が好きだから……
人によって働く理由ってさまざまですよね。
私は,他の人の仕事観にとても興味があります。
世の中は多くの仕事で成り立っていて,
さまざまな思いをもって仕事に向き合ってる人がいて,
仕事観はその人の生き方に直結しているところがあって面白い。
今回インタビューをさせていただいたkanaeさんからは,
生き生きとしたエネルギーが湧き出ているのを終始感じていました。
Kanaeさんからいただいたメッセージがこちらです!
1日の大半の時間が仕事で占められている人は多い。
今回は,読んでいる方にとって新しいことを始めるヒントになったり,
今の仕事を始めた時の気持ちを思い出すきっかけになったりしたら嬉しいなと思いながら,記事を書いていました。
kanaeさんの今後のご活躍,楽しみにしています!!
Comments