KUMA先生
インタビュー&記事:kon.
今回のインタビューのお相手は,
私の恩師のKUMA先生です。
先生は現在,大学で心理学を教えています。
先生との出会いは大学3年生の春。
当時,先生は大学に着任したばかりでした。
その頃,私たちはゼミを決定する時期で,
私は先生のゼミに入ることに決めたのです。
KUMA先生はいつも穏やかで,
とことん話を聞いてくださる方。
学生の話に本気で驚き,感心し,
面白がったり,真剣に考えたりしてくださいます。
大学卒業後(早5年!)も
私はたびたび研究室に足を運び,
仕事の相談をしたり,英会話を習ったり,
たいへんお世話になっています。
(いつまでも手がかかってごめんなさい!)
そして私は気づいたのです。
お会いするたびに先生には
新しくハマっているものがある,
ということに……!
(研究室に行くたびに物が増えているのです!)
スノボ・ウクレレ・観葉植物・イラストなど
私が知っているだけでも最近になって始めたものがたくさんあります。
今回のインタビューでは,
「新しいことにチャレンジするのが好き」というKUMA先生の“最近好きなもの”,
そして,先生の今のお仕事につながった
“ずっと好きなもの”について伺いました。
どうぞご覧ください!
––––最近いろいろなことにチャレンジしていますよね。
私が先生のゼミに入った頃より今のほうが趣味を楽しんでいるイメージがあるのですが,新しいことにチャレンジしようと思ったきっかけはありますか?
そうだね。今の大学に来た時は野球観戦くらいしか趣味がなかったかもしれない。
いろいろやろうと思ったのは,40代になってだと思う。
周りの友達が新しいことを全くやらなくなったんですよ。新しいことをするのにネガティブになっている人を見て,自分はやりたいと思ったことをやったほうがいいなと思った。
––––そうなんですか!周りとは逆に,ですね。
うん。そう思ったのは自分の仕事とも関係しているかな。
新しいスキルや知識を教えるのが自分の仕事なので,どういうふうに新しいことを教えたらいいかと考えるうちに,自分自身を実験台にして新しいことをやってみようと思ったよ。
––––なるほど!自分がまず新しいことをしてみるということですね。
一番最初にチャレンジしたことはなんですか。
スノボかな。
3年くらい前にゼミで行くことになったのがきっかけ。そこからすごくハマっているんだよね。
スキーもスノボも今までやったことがなかったんだけど,やってみたら楽しくて去年は6回くらい行ったよ。
––––6回も行ったんですね。すごい!
どうしてそんなにハマったのですか!?
うーん,やっぱり自分が新しい技をできるようになるのが楽しいからだろうね。
Youtubeのスノボを教えてくれる人の動画を観るのもすごく楽しい。教え方に興味があるっていうのも強いけど。
––––先生はYoutubeでよく学んでいますよね!
ウクレレもYoutubeで独学で練習しているんですよね。
そうだね。教室に通いたいと思ったこともあったけど結局行けてない。
ウクレレを始めたきっかけは,喫茶店で論文を書いている合間にAmazonのページを見ていたらウクレレが売っていて,「あ,やってみよう」って。
––––ええ!笑 そんな感じの始まりだったとは……!
そう。そんな感じでふと思い立って,その場で注文したんだよ。それからハマっている。
緊急事態宣言で大学が休講の時にはかなり弾いていたよ。
◇先生のウクレレ◇
3本目を購入し,弾き分けているそう!
––––すごいですね!私は何かをやり始めても,目標がないとなかなか続けられなくて……。
自分には学生との関わりがあるからいいのかも。ウクレレの練習も,「学生に聴かせたい」というのがモチベーションになるよ。
––––誰かに聴かせるという目標があるとやる気になりますね。
学生にすぐ聴かせられる環境にあるっていうのはいいですね!
恵まれた環境だと思う。
ウクレレを一度学生に披露してみたんだけど,何の曲かわからないって言われちゃった。笑
あいみょんの曲を弾いたんだけど,誰にも気づいてもらえなかったよ。
––––あらら……それはリベンジしたいですね。
先生とウクレレのアンサンブルができるように,私も練習頑張りますね!
(※偶然にも,私も去年ウクレレを始め,先生とアンサンブルをする計画を立てています。今後どこかで披露できたら……!乞うご期待!?)
頑張りましょう!2月には合わせたいね。
それから,つい最近電子ピアノを買いました。ピアノを始めて一ヶ月です。
––––えっ!!ピアノですか!(驚)
ピアノのご経験は…
ないです。ゼロからです。
弾きたい曲があって始めたんだ。RADWIMPSの「スパークル」なんだけど。
けっこう難しくて……今はもっと易しい曲から練習してるよ。
––––ピアノを今からチャレンジするってすごくないですか?
同僚の先生には「無謀です」って言われた。笑
––––そうなんですね!笑 ピアノも今度聴いてみたいです。
先生は,学生と一緒にチャレンジする機会も多そうですよね。
以前,仕事終わりに研究室に寄った時,自家製カレーを食べさせてもらったことがありましたね!
あったね〜。
100%大学で育てたものでカレーを作ったら面白いんじゃないかと思ったんだよ。大学祭で売ろうとしたんだけど,収穫できた量が少なかったから結局ゼミの中だけで食べたけどね。
人参,じゃがいもの他に,スパイスに使おうと思って,赤唐辛子,ターメリック,コリアンダー,ウコン,パクチーなんかも育てたよ。最終的にちゃんと育ったのは赤唐辛子とウコンくらいだったけど。味を調整するのが難しかった。
––––スパイスも自家製だったんですね。おいしかったです!
そう思うと学祭って新しいことに挑戦するのにぴったりですね。
学祭でわたあめもやっていましたよね?先生考案ですか?
うん。僕がわたあめ好きだからね。機材が研究室に置いてあるよ。
2年連続でやったから,2年目はカラフルなわたあめも作ってみたりと進化しています。
お祭りでわたあめを見つけると,すごく嬉しくならない?わたあめって気分が上がるよね!
––––私,前先生に言って怒られましたけど,わたあめって食べ始めるとすぐ飽きてしまい,ベタベタのほうが気になってしまうんですよね……。出来上がるのを見るのは好きなのですが!笑
えー。わたあめってすごくハッピーになるんだけどなあ。
材料費も安いし手間がかからないっていうのも現実的にいいところ。
––––わたあめは先生をハッピーにするものなのですね。
他に先生がハッピーになることってありますか?
それ,このインタビュー受けるにあたってけっこう考えていたんだ。
新しいことに挑戦してる時もハッピーなんだけど,う〜ん,僕はふだんからけっこうハッピーなんだと思う。
––––わあ!それってほんとうに素敵ですね!
うん。幸せなことだと思う。
そして,それはそういう仕事を選んだからだと思ってる。
仕事を選ぶときの基準が「自分の好きなことをできる仕事に就きたい」だったからね。
小学校時代の友達のご両親が研究者だったんですよ。家に遊びに行くと鈴虫とかを育てていて,友達に聞くとそれがお父さんの仕事だって言うから,「世の中には夏休みの自由研究みたいなものでお金をもらえる仕事があるんだ」と驚いた。
––––好きなことを突きつめていく仕事ですか。
うん。それが研究者になりたいと思った最初かな。
自分の場合,昔から「人はどういうふうに記憶するか」に興味があって,そういうのを調べるのが好きだった。成績の良い友達に勉強の仕方を聞いたり,記憶術とかの講座を申し込んだ友達にどんな教材があったかを聞いて記憶の仕方を調べたり。
中学生の頃から今と同じようなことをずっとやってた。ほんと,変な中学生だったな。
––––でもそれが,仕事になったんですね。
そう。そういうことで生きていけたらいいとずっと思っていた。それで今の研究分野と出会って,この仕事をしている。
だからハッピーというか,仕事をしていてストレスがないんだよね。
––––好きなことが仕事になるって素敵ですね。
何でも肯定的に思えるのは,先生の穏やかな人柄もあると思うのですが。
穏やかと言われるなら今の仕事が合っているんだと思う。
もともとは穏やかではなかったと思うよ。中学・高校の頃はなんだかずっとイライラしていた感じがするし。
––––そうなんですか!イライラしている先生が想像できません。
ゼミの時もいつもみんなの話を楽しそうに聞いてくださっていましたよね!KUMAゼミ,楽しかったな〜。
最初にゼミをもったときはどんな気持ちでしたか?
みんなに会うのが初めてだから緊張したし,全然知らない自分のところに,果たして学生は来てくれるのかと不安だったよ。
––––私たちの場合,KUMA先生が着任して挨拶をされて,そのあとすぐゼミ選びでしたもんね!(結果,7人も先生のもとに集まったのです。)
そうそう。なんでみんな僕のところに集まってくれたんだろう?
自分は今の学生が何に興味をもっているのか,何が流行っているのかにとても関心があるから,みんなと一緒に話しているとほんとうに楽しいです。
––––またみんなで集まりたいですね!
これからやりたいことはありますか?
いっぱいあるよ。
コーヒーを豆から育てて収穫して飲みたいというような小さな夢もあるし,あと……ノーベル賞を取りたいなあ。
––––わあ,それは大きな夢ですね!是非取っていただきたいです!!
取りたいよ。でも心理の分野はノーベル賞がないんですよ。取れるとしたら経済学賞。心理学者が唯一ノーベル賞をとったのが経済学賞。
そこも目指しながら今の研究を深めていきたい。
––––KUMA先生の研究内容はとても面白いので,楽しみにしています!
––––ずっと好きだったことの延長にある今の仕事,そして最近新しく始めて好きになったこと,どちらも楽しんでいらっしゃるのがすごく伝わってきます。
それぞれやっていてよかったと思うのはどんなことですか?
研究職についてよかったことは、やっぱり自分の好きなことを追究できるってことだね。たいていチームで研究するから,同じことに興味がある人たちと話すことは楽しいし,そこから閃くことも多い。
新しいことにチャレンジしてよかったことは,「人ってどうやってスキルを獲得するのか」ということを身をもって体験できて,自分の仕事に繋がるというのがまずあります。やってみたいことをやらないで,あとから後悔するのも嫌だしね。
あとは,僕はお金って貯めても仕方ないなって思っているんだ。自分の経験や他の人のスキルアップに使うのが一番いいお金の使い方だと思ってるから,自分や他の人を高めるために使っていきたい。
そして1番よかったことは,新しく始めることで世界が広がったこと。
スノボを始めたから,出会うことがなかった人に出会えたし,新潟とか長野とか,今まで行かなかった場所にも行くようになった。ウクレレを始めたことで,今まで聞き流していた曲にも興味が出てきた。
新しいことにトライすることで,これまで気にしなかったことが気になるようになりました。
今,とても充実してると思うよ。
◇インタビューの最後に,先生からこんなメッセージをいただきました。
・
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ずっとやってきたことを深めつつ
新しいことを柔軟に受け入れ,
世界を広げていけるKUMA先生。
インタビューを通して
やっぱり私の恩師はすごい人だな
と改めて感じました。
そして,「今さら始めても‥」と思わずに,
どんどん挑戦して世界を広げたい!
と,わくわくしました。
そういえばインタビューの中で,
学生が自分のゼミを選んでくれたのはなぜか
先生は疑問に思っているようでした。
それなら聞いてみましょう!
ということで,インタビュー終了後,
私と同じKUMAゼミ一期生2人に
「KUMA先生はどんな人?
先生のゼミに入った理由は?」
と,聞いてみました!
以下のような声が届きましたよ〜♪
★学生生活を惰性で送っていたため,何らかの刺激になったらいいと思ってKUMAゼミに入りました。先生は,学生の「やってみたい!」を否定しない先生。私が卒論の題材決めで迷走して,「ももクロで書こうかなぁ」と冗談半分で言ったことに対しても肯定的に励ましてくれた。あとは,いつも先生発信で飲み会をするので,とてもフレンドリーだなと思っている。またみんなで気兼ねなく集まりたいなぁ。(元KUMAゼミ・Zさん)
★優しくて包み込んでくれる先生。話を聞いてくれて、モチベーションをあげてくれる。学生の目線に立って,一緒に楽しんでくれる先生です。ゼミを決める時は,インスピレーション!KUMA先生のもとで学びたいと思った。先生の第一期生になりたい!って。(元KUMAゼミ・Cさん)
先生,いかがでしたか?
研究分野に興味があることはもちろん
先生が常に学生に寄り添ってくれるからこそ
私も含めてゼミのメンバーはみんな,
KUMAゼミに入ってよかった!
と,心から思っているのです。
ずっと好きなことを突きつめ,
新しいことを面白がり,
チャレンジしていける。
私もこの先,
そんな大人になりたいものです。
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