このみさんインタビュー:実耶
今回インタビューさせていただいたのは
『雑貨屋merry』として活動されている
布作家のこのみさんです。
大学や前職が一緒で
千葉にいたころの共通の知人
(私にとっては大好きな先輩)
がご縁を繋いでくださり、
大阪で出会いました。
考え方や家族構成、血液型まで!笑
共通点が多く、すぐに意気投合し
去年初の個展
『my name is merry 』で
作品を見せていただいてから
すっかりファンになりました。
(↓当時のLetterに書いています。)
このみさんの
どんな想いや経験から
作品が生まれていくのでしょうか。
ご自宅兼アトリエにお邪魔させていただき
お話を伺いました。
▲すっごい素敵空間でした...!
・・・・・
––––1番好きなことってなんですか?
なんだろうな、1番が決められないんだけど・・・
1番が決められないって大学生の頃からずっと思っていて。
いっぱい1番がある。布で作ることも、雑誌読むのも、料理も、映画見るのも好きだし。
でもすごく頑張ってつけると、作ることと、雑誌を読むこと。
––––そうなんですね、意外でした。
「絶対布」だと思っていました。
雑誌は私の中で絶対なきゃいけないんです。
▲ご自宅の本棚からも
伝わる雑誌愛
とにかく写真が大事で。
書いていることは読まずに買ってくることがよくある。
編集長の好みが大事だってことが最近分かったから、好きな編集長のを今めちゃくちゃ集めていて。前は『Kunel』を集めていたけど、集め終わったから、今また別のをメルカリとかで集めている。
その人の雑誌がもうすごいわくわくする!写真とか、特集とか。
––––気になる~ラックにあるのですか??
そうそう!『ONKUL』の3~9がその人だって気付いて、メルカリで一気に全部集めた。そういうとき止められなくて。
––––私もです。収集癖あるんですかね。
文じゃなくて写真なんですね。それも意外でした。
写真。写真家さんも好きだし、スタイリストさんも好きな人がいて、その人の本も全部ある。
▲お気に入りの本はアトリエに
––––それは作品作りとは関係ないんですか?
作品作りにすごく関係あって、そこからアイデアが湧いてくる。
もともと私の作る物は生活に馴染むものがいいと思っていて。生活に馴染んでいる状態が生地は最高に可愛い。
生活をうまく撮っている写真とかアイデアを見ると、わぁってなってきて「こういう鍋つかみ作ろう」とか「この色合わせ可愛い」とか思い浮かぶ。そういうので雑誌にはけっこうお世話になっている。
『Kunel』が始まりだったと思うんだけど。
––––作品作りに活かすってところから『Kunel』は集め出したんですか?
うん、そう。
やっぱりわくわくするが一番大事だから、わくわくする雑誌ってなったら『Kunel』。
本当は写真集が一番よくて何冊かはあるけど、なかなか出会えていないというか。生活を捉えている写真ならいいんだけど、きっちりしている写真とか整えているものだとなんか違う。
さっき撮ってくれていたみたいな
ただの生活の状態の写真が好き。
▲台所が可愛い!
そういう場所に馴染むものを作りたいから、そういう雑誌をすごく選んでいる。
これは、アイデアノートとして作っていて。
▲写真の切り抜きがたくさん
これを見ていてもやっぱり生活の写真、使っている生地とかがすごく好き。何か作っているところとか、人の家の布巾とか。あとエプロンが好きで写真でも集めている。
単純に「白とベージュの色合わせが可愛いな」と思って、「白い巾着にベージュの紐を合わせてもいいかな」とか思ったり。こういうのを結構ずっと作っている。
これは恥ずかしいから見せられないんだけど、夢ノートとか書いていて。
大阪に来てからずっと書いてる。
手作り市にでたらこういう風にしたい、とか。
––––そういう世界になっているからすごい!そのときはまだ手作り市とかも出店されていないですもんね。
そう。これはもっと昔、千葉にいるときから作っているもの。
これはあんまり作品とか思ってないと思う、服がメイン。
見ていたらアイデアが浮かんでくるものを作ろうと思って。海外の雑誌とかを切るために古本屋で買ってくる。
海外のお洒落がすごく好きで、ワールドスナップのときだけ『FUDGE』を買ったり。
あと、最近は失くすからちっちゃいモチーフをファイルしている。自分で刺繍したものとか。これは道端に咲いていた花を写真に撮って、見ながら刺繍したもの。
これはミナの端切れがやっぱりすごいなって思って入れてある。こんなちっちゃなモチーフを作るのも、すごく時間がかかるんだって。
––––やっぱセンスがあるんだろうな~。
見つけてくるものも素敵。
嬉しい。雑誌のおかげだと思う。
インスタの写真もすごく好きで見ちゃう。
やっぱり保存している投稿とか俯瞰して見ると、生活の、台所とかすごく好き。布巾とか、けっこう布物が溢れているんだよね。
▲珈琲を入れてくれました
料理が好きな人ほど可愛い台所をしているというか。鍋つかみとか、お弁当包みとか。
あ、お弁当包みすごく好き!お弁当を包んでいるのが最終形態として、めちゃ可愛い。ただ置いてあるより、しばって使ってあげた方が可愛い。
いつかそれもやってみたい、「おべんとづつみ展」とか、全部包んであるの。(笑)
渡すとき、くしゃくしゃかもしれないけど、そっちの展示の方が可愛いと思う。
––––このみさんの個展に行ったとき、それがすごく面白いな~、と思いました。「アイロンがけしたら勿体ない」って書いてあったのとか。
そう、くしゃくしゃの状態がすごく可愛い。
この生地も、わざと洗濯してくしゃくしゃにしたんだけど、買ったばかりのときと肌触りが全然違うんだよね。絶対こっちの方がいい。
▲子ども用トレーナーの製作中でした
なんなら今度からは作ったら一回洗おうかなと思っていて。一回使った感があった方が可愛いかなとか。
意外と人ってぴちっとしているより、そういう方が可愛いって思うんじゃないかな。人によると思うけどさ。
気づいたら、いろんな人にウケようみたいな気持ちになっているときがあって
「そういうの良くない良くない、私は私と好みが一緒の人が買ってくれたらいいや」って言い聞かせる。
––––たしかに。人に例えたら違うかもなんですけど、ちょっとダメなところや、だらしないところがあると、愛しいな~ってなりますね。
ほっとする。自分が整ってないからかもしれないけど(笑)
そうなんですよ、私いっつも自分のこと絶妙にだらしないと思ってる。
私たち、それが相性的にいいんだと思う。しんどくないというか。
ちょっと人間味があるみたいな方が面白いよね。
とっつきやすいというか。
––––そうですよね。
「生活の中で馴染んでいるのがいちばんいい」っていう感覚は昔からですか?何かきっかけがあったのですか?
こうやって言葉にすることが出来るようになったのは、個展をしてからだと思う。
それまでも好きだったけど、そういう風にカテゴリーしてなかった。だから漠然としていたけど、「今まで自分が好きでインプットしてきたものは、全部生活の中でその人に馴染んでいて、布が喜んでいるみたいな写真なんだ、それが作品に活きているな」っていうのは、本当に個展を通して自分や自分の作品と向き合って気付いたこと。
▲『もののけ姫』を流しておくと
製作に没頭しやすいそうです
個展までの2ヶ月くらいびっちり向き合ってやった準備の時間が、わたしにとってすごく濃密な時間で。「個展までの日々」も忘れたくないと思って作った。
▲個展までの日々が
写真や文章で綴られています
––––個展をやって1番よかったなって思うことはなんですか?
1番を決めるのがいつも難しいんだけど・・・
––––ごめんなさい、1番じゃなくていいです!(笑)変わったこととかありますか。
・・・・・
このみさんのお話、
お家やアトリエの様子から
生活やそれを彩るものへの愛情を
ひしひしと感じました。
だらしない、と言いつつも
その中に芯のような
心が踊るこだわりがあって
こんなお家に住みたいと思いました。
(あと私の家の100倍整っていました。)
このインタビューは
昨年11月に行ったのですが
今年3月に『おべんとづつみ展』
を開催されるそうです!
実現していてすごい、
楽しみ...!!
後半に続きます!
(近日公開します)
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