むぎさんインタビュー:実耶
ダンススタジオの先生やメイクさん、
パーソナルカラーのアナリストなど
多彩な技術で周囲の人を輝かせている
むぎさん。
(詳しくは前編をどうぞ!)
後半では、その技術を手にするまでの経験や、働くこと、将来やりたいこと、こだわりについてもお話をお聞きしました。
△むぎさん
・・・・・
––––(目標に向かって努力することは)昔から出来るんですか?
ううん、高校から。全然できひん、宿題もだせんかった。(笑)
やりたいことしか出来ないみたいです。
それは演劇科の先生に感謝ですね。先生からしたら演劇を通じて人間性を教えるってカリキュラムだと思うんですけど、それがすごい自分を変えてくれたと思う。
––––特に自分を変えたなって思うものは何ですか?
究極まで頑張らせるシステムとか、究極の状態で取り巻かれる人間関係とか。
みんないっぱいいっぱいになったときって本性出るじゃないですか。その瀬戸際の中での人間関係の構築とか面白かったですね。演劇、舞台を作るってなんかそういう力があって、チームワークを強いられました。
––––たしかに日常にはない力がありそう。そのギリギリの人間関係の中での振る舞い方とか、何か掴んだものってあるんですか?
何やろ、絶対掴んでると思うんですけど、今言葉にするのが難しいな。
でも作品を作るときにめっちゃ先生に言われたのが
「責任転嫁するな」
と
「反対意見を言うならプラスで改善方法を言え」。
それをトレーニングする「見えないドッチボール」ってゲームがあって。ここにエアーのボールがあるとして、40人いたら20対20でドッチボールするんですよ。
––––エアーで?!それ高校生出来ます?(笑)
頑張る(笑)
それを横で先生が5人くらい見てるんですよ。絶対当たってる、でもそれに対して受け取ったり当たったり何かしらアクションを起こさなかったときに、それは責任転嫁なんです。めっちゃ怒られるんですよ。
そういう遊びを通じて人間性を学ぶトレーニングがあった。
––––へぇ面白い。でも私だったらそれっぽくやっちゃうな。(笑)
それっぽくやったらバレてめっちゃ怒られるんですよ!リアリティを求められる。
とにかく本気で遊ぶって授業なんですよね。本気でやらないと怒られる。
悪態祭りっていうのもあったな。人の流れを読んで空間を満遍なく埋めながら歩く。どこか部屋のスペースがぽんって空いたらダメなんですよ。
それで先生がパンッて手叩いたら後ろ向いて目があった人の嫌いなところをめっちゃ大声で言わなあかんのですよ。でもね、そんなに思い浮かばないんですよ。あることないこと言ってオッケーで、とりあえず言い続けないとならない。
––––何でそれをやらせたんだろう(笑)そういう説明はないんですか?
それはないですね。やりながら勝手に学んでいく。
悪態祭りしてるから普段から嫌なこと嫌ってすぐ言えるんですよ。だから陰でこそこそとか全くなかったです。
嫌なことは本人に直接言うっていうのが出来上がってたから、普段からグループもなくって、お弁当みんな前向いて食べるんですよ。集まる意味もないから机寄せて食べたこと一回もないです。
––––えー!信じられないな。それは確かに変わりますね。
夢の国に受かった後の生活はどうだったんですか?
夢の国時代は「あ、人生の夏休みきた」って思った。
こんなに休みもあって、やりたいことやってお金もらえて、こんな幸せな生活ある?!って思ってた。
寝る時間も増えたし、宿題ももちろんないし。
人もすごい良い人ばっかりやったし、学びが多くてめっちゃ楽しかったです。最初2年くらいやったら辞めようと思って入ったんですよね。でも楽しくて4年いました。
––––ダンサーを辞めて今のお仕事に進んだのはどうしてですか?
3年目に3.11の地震が起きて、ほんまに緊急のときって私たちの仕事っていちばんには必要とされへんよなって悩んだりとかして。後々必要とされてくるってことは後から気付いたんですけど。
放射能とか津浪のことも心配やったし、親が可哀そうやなとまた思ったんですよ。めっちゃ心配して電話してきて「逃げ」って。更新オーディションどうしようか悩んでたときに、たまたま自分がいちばんやりたかった役がまわってきて、それ以上にやりたいことがなくなっちゃったんですよ。
そのときに大阪帰ろうかなって思った。自分でメイクしてたから、今やったらまだ技術も落ちてないし復帰できると思って。
あの仕事を30過ぎまでやって美容関係の仕事に戻るっていうのが自分には想像できなかったんですよ。だから戻ってもう一回美容の仕事しようと思って、オーディション受けないことを決めて。
いつか辞めようとは思ってたけど、地震をきっかけにタイミングきたなぁって感じでした。
––––戻ってくるときには次の仕事は決まってたんですか?
ダンスメーカーで働くことは決めてました。私がやってきたことが全部つまってる会社だったんですよ。ダンス用品を取り扱ってるだけじゃなく、独自のコスメのブランドをもってたから「ここのブランドのメークアップアーティストなりたいな」と思って。
そこは他で働いてもいい契約にして、ダンスを教え始めた。
けっこう分析とかするのが好きだから、テーマパークに入る時に受かるためにどうすればいいか自分で研究したんですよね。
「それを次誰かに伝えよう」と思って教えることを始めたら、そっちの方が自分が現役でやるよりやりがい感じて。
たぶん表に出るタイプじゃないんですよね、自分が。だからメイクも自分がされるんじゃなくて人にしたい。
––––やってみたら合ってたって形なんですね。
ダンスの先生になるって夢はどこからですか?
先生になるっていうよりも、自分のチームみたいなのをたぶん作りたくって。
22歳のときにブログに「自分のスタジオを立ち上げたい」って書いてて、たぶんそのくらいから考えてました。
原石を磨く系のことはしたいってずっと思っていたんですよね。メイクとかも。
だからいずれはそれをやるって思ってて、その時も宣言するかのように「『代表取締役』って絶対なる」って書いてた。(笑)
––––(笑)叶ってますね、その夢。
好きなことをやる分、責任が自分にくるじゃないですか。それはしんどいなってならないんですか?
責任を誰かに委ねて自分のやりたいことができない方が辛い。だから会社は向いてなかった。
––––やりたいことはあっても生活が心配で動けない人がいると思うんですけど
そこは安定をとることはしないんですか?
私はね、安定する会社に入ってもお金をもらえない。何て言うかな…働けないんですよ(笑)
––––(笑)
ほんまに気持ちが嫌とかじゃなくて、一般業務とかの仕事が本当に出来ないんですよ。だからそういうのはやっぱり任せたくって。
自分に関してはどっちかっていうと、やりたくて始めるというよりか「こういうのないんですか?」って言われて始めることが多いんですよ。
「こういうことしてほしい」「こういう人がいるけどその人を助けられなくて困ってます」っていう声を聞いて、「じゃあそれなら私出来ます」っていうところからのものが多いんですよね。
だから私は普通の会社で働くよりも自分のスキルを活かした方がちゃんとお金が入る。
なんやろ、お金をいただくって「困ってたところ助けてくれてありがとう」の対価じゃないですか。それを私は普通の会社では絶対もらえないので。「邪魔してくれたな」だから(笑)
逆に言うと普通の会社で働く方がお金のこと心配かも。例えば普通のお仕事、事務とかをしたとしたら私は時給300円レベル(笑)
でも他の人には出来ない、自分にしか出来ない仕事をすることで何百倍にも変わるじゃないですか。
△オンライン授業の開設
インスタライブの配信など
この状況でもできることを考えられている
むぎさん、尊敬します
––––そうだよなぁ〜。でも私は自分にしかできない技術がまだないです。
むぎさんは需要をキャッチする力も強いですよね。情報収集能力なのかな。コロナが流行ってからも、すぐ人手が余ってるところと足りてないところについて考えていたし。
うん、情報収集得意です。
あとはもう直感。めっちゃ分析してて、絶対こうやんなって思ってる時期がずっとあって、最後の引き金は直感。
スタジオ始めたときも、ここで教えたいなって思ってた場所がやりたい曜日に空いてたのと、4月1日が新月だったから。きたー!って思って。
△星廻りについてもお詳しいです
––––巡りあわせも大事な人なんですね!
生活の中でこだわっていることとか、大事にしていることってあるんですか?
食べ物。体を作ってるのが食べ物やし、心を満たしてくれるのも一番は食べ物。
ダンスがあって生活があるっていうよりも、生活がベースにあってその中でダンスがくっついてるって感じです。
△むぎさん作のお料理
美味しそう〜
––––意外!ベースがダンスじゃなくて
生活なんですね。
生活ですね。
だから今も生徒が来てくれるからダンスを教えてるけど、いつかたぶん時代が変わって私がテーマパークに入る対策が出来なくなる日が来ると思ってるんですよ。今は受けたいって思ってくれる人がいるからやってるけど、ほんまにそうなって、そういう人がいなくなったら何ももがくつもりもないし、潔く辞めるつもりです。
仕事ってそれをしてほしい人がいるから成り立つじゃないですか。だから、自分が向いてないことをすがってやってお金もらったところで誰も喜ばんなと思って。
––––そうですよね、自分も苦しいですしね。
大体の人はそう生きれたらいいなって思うけど、自分が人から求められるものがなくなったら仕事がないじゃないですか。それはどう考えてるんですか?
そこなんですよ。そうなったときは食堂かなんかで働こうかなと思ってる。そこで自分が必要とされるなら全然いい。
定食のおばちゃんはやりたいんですよ。
それは後に、60歳くらいの夢やけど、ダンサーの子たち限定の寮みたいなのを作りたいんですよね。そこで食事提供とか、みんなの話聞いたりとか、寮母さんみたいのをしたいんですよ。地方から出てきた子たちのお母さんになる。
––––素敵な夢ですね。まだまだやりたいこと尽きなそう!
いま好きな事、楽しい事はありますか?
マッサージ。されるのめっちゃ好きで。整体に月に2回と、アロママッサージに月に2回の月4。
––––マッサージの魅力って何ですか?
なんやろ…癒される、気持ちいい、頑張った体をリセットできる。
マッサージ行っても私は「仕事したな」って気分になるんですよ。自分の体をちゃんとメンテナンスしたなって。
自分の仕事への投資だと思う。
––––普段体使って頑張ってるからそうですよね。
あときれいな食べ物とか見るとめっちゃ萌える(笑)
逆に食べ物に満足感が得られなかったときの不機嫌具合がやばい(笑)
「あー胃袋損した」って思う(笑)
なんか勿体なくない?美味しいもので満たされたかったはずのお腹が「あーなんかこれで埋まっちゃった」って。
––––(笑)私普通に納豆ごはんとか食べるんですけどそれはないんですか?
食べる食べる!納豆ごはんも卵かけごはんも。でも納豆だったらこれがいいとか、卵かけごはんやったらこうしたいっていうのはある。たぶん私ほとんど食費かな。
あとはまぁ自分ちの猫と遊ぶとか。
△愛猫さん!かわいい..♡
––––やっぱり生活なんですね。
・・・・・
インタビュー後
むぎさんに書いていただいた
メッセージがこちら。
今回お話を伺ってから
むぎさんのように
自分の人生に責任をもてているかな
と考えています。
好きなことをして生きていくことは
何より憧れるけど、責任転嫁せず
全責任を自分で抱えていくことなのだと
実感しました。
大切にしていること、
何で人の役にたてるか、
やっていきたいこと、
それに見合う努力をする覚悟はあるか、、
よく分析して正しく悩んで、
勇気をもって踏み出した先に
望んだ未来が待っているんだろうな。
今お話を聞けたことに感謝して、この機会に少し自分のことを見つめ直してみようと思います!
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