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余白を丁寧に楽しむ

paruさん

インタビュー&記事:kon.


 


相談したいときにぱっと思い浮かぶ人っているでしょう。

自分の今のぐちゃぐちゃした気持ちをこの人に話したら,まるごと受け止めてくれそうだ。

今の自分に必要なことを見極められそうだ。

そういうふうに自然と思い浮かんでしまう人。



今回のインタビューのお相手,paruさんは私にとってそんな友達です。

一緒にいるととにかく安心して何でも話せてしまう。

大学時代は,出会ってすぐに仲良くなって,ジョナサンのドリンクバーで永遠と話したのが思い出。笑



インタビュー記事を通して,paruさんの素敵な人柄や生き方が伝わるように

心を込めてお送りします!




◇paruさん




––––今回はインタビューさせてくれてありがとう!



いえいえ。

kon.に02:00のインタビューの話をもらって

何について話そうかなって考えてたんだけど,胸を張ってこれが好きっていえるものが私には特になくて。


ただ,なんとなく肌馴染みがいいなとか,自分にとって無理がないなとか,気付いたらこれをずっとやってるなってものはあって。

それらを少しずつ選んで過ごしているのが自分だから,そういうことを話せたらいいなと思う。



––––是非聞きたいです。



私の場合,楽しむ・癒されるというよりも,やっていて自分が回復するようなものを続けてる。



一番に思いつくのは散歩かな。

田舎で育ったということもあって,季節の変化を味わうのが好き。季節の風の匂いとか虫の鳴き声とか,花が咲いたな,とか。

街中にあるちょっとした自然から感じるのが好きだなあ。



◇paruさんがお散歩中に撮った写真

幹の下から精一杯咲く桜のつぼみ




––––お散歩してる姿を想像するとほほえましい。

自然と「行こう!」ってなるの?



んー,そこまで気合いが入った感じではなくて。

「行くかあ~。」ってなるかなあ。


ゆっくり歩いたり自転車で走ったりする中で,季節の変化を見つけるのが好き。

散歩を自分のルーティーンとして取り入れてるというわけではなくて,日常の中でふと自然を感じたり,あ,今日は満月なんだと見上げたり……通勤中とかにそういう気づきをしながら生活している。




––––無意識に周りを見ているんだね?!



そう思うと,けっこう上を向いて歩いてるかも。笑


自然を感じるふとした瞬間が,自分の深呼吸できる時間になっているなあ。



––––paruらしいかも。昔から?



田舎で育ったからねえ。

地元は,近くに川が流れる自然豊かなところだった。

普通に通学路に蛇とかも出てきたし。

そういう中で育ってきたから季節の変化を感じながら生活することが普通だった。


友達とも

「ひぐらしが鳴いてきたから夏の終わりだね~!」

っていう会話を普通にする感じ。




◇paruさんの通学路にある木

「グミの木」と呼んでみんなで下校中に

食べていたそう!




––––のどかだなあ!

日常的に季節の会話をして育ってきたから,都内で一人暮らしをしている今もそういうのを大切にしているのかな。



そうだね,求めようとしてるとこはあるかもね。

都会の中でもちゃんと季節が移り変わってるっていうのを実感して,一息つけたりする。




––––都会での生活も好きなんだよね?



都会の生活も好きだし,実家での生活も好き。

でも大切にしてるものは同じみたい。

たぶん,自然と自分に染み付いたものなんだけど。




––––paruは,見過ごしがちな小さな自然の変化を見つけるのが得意だと思ってたけど,それは小さい頃から当たり前に身についたものなんだね!



そう言ってもらえると嬉しい。

あらためて考えると,だんだん秋から冬の風になったなあとか,そういう自然の変化を日々無意識に感じ取っているかも。

どこにいてもそれを感じられることは,私にとっては自分らしくいるために大切なことなんだろうね。





◇paruさんが子どもの頃から好きな花






もうひとつ,ずっと続けているのは漫画を読むこと。

実家に帰ったときに漫画20冊レンタルして一気に読んだり。

レンタルで借りてる漫画のリストを作ったり,アプリで読んだり。




––––私も漫画好きだよ~。ジャンル問わず読むの?



うーん,わりとそうだねえ。

少年漫画も少女漫画もレディース系も,ヒューマン系も時代劇系も読む。


漫画は小さい時から好きで,物心ついた時からセーラームーン読んでた。




––––漫画を読むことをずっと続けてきた理由みたいなものってある?



読書とか映画もすごく好きなんだけど,

「読む(観る)なら,何かを自分の中に吸収せねば!」

って身構えちゃうところがあって。

読み始める(観始める)までに心の準備というか,気合いのようなものが必要なんだよね。



その点漫画は,もう少しライトで,とっつきやすいというか……気軽なんだよね。



––––なんかそれ,すごいわかる気がする!



なんでだろうね?笑

でもその気軽さが,漫画を読むことを続けられている理由のひとつなんじゃないかなって思う。



◇paruさんの漫画リスト




漫画の世界に浸ることが好きなのは,より色々な感情を味わうことができるからかな。


私は,ファンタジーやアクション,典型的な恋愛モノというよりも,日常生活の人間関係をテーマとしたものが好きなんだよね。

自分の生活と近いぶん,登場人物のより繊細な機微を想像できて,それが面白い。

あとは,自分自身の生活のヒントになることも散りばめられている気がして,何度も読み返しながらそれを探すのも好き。




––––いいね!paruのおすすめの漫画とか,心に残っている漫画を教えて欲しいな。



おすすめの漫画は

『ブレッド&バター』(芦原妃名子/集英社)



1話につきひとつのパンをテーマに,それにまつわるエピソードが展開されていく漫画。

日常生活で感じる気持ちが丁寧に描かれていておすすめ!

パンも美味しそう。



––––パン大好き!笑 絶対読みたい!!


是非!

kon.に読んで欲しい!!



◇偶然にもインタビュー中にparuさんと

食べた美味しいパン♪(DIXANS神保町店)




思い出の漫画は,

『papa told me』(榛野なな恵/集英社)



子どもだって色々考えてるよね!ってわかる漫画。

母親が読んでいて小学校低学年の頃に読み始めたんだけど,ヒューマン漫画系が好きになったきっかけかも。




––––面白そう!おうち時間が増える今,是非02:00の読者のみなさんにも読んで欲しいね!



是非是非。


これちょっと面白そうだな~とか,自分にとって無理なくできるな~っていうものをずっと続けてきたんだと思う。




––––paruにとってのお散歩とか漫画とかがそれなんだね。



そう。

私は,余裕がある瞬間を持ってるのが好きで,無の時間がないと無理なんだよね。

スケジュール帳がびっちり埋まってると,ドキドキ緊張しちゃう。

ある意味自分が自由になって自分のことだけ考えたり,何かを一度放り出したりする時間がないとダメなんだろうね。

だからそういう自分の時間を無意識に作っているんだと思う。



何かを消化したり,綺麗だなと思うものをひとりで味わったりする,自分だけでいられる時間。

昔からペースがゆっくりなほうだし,自分の時間がないとだめ。そういう時間があることで,人の話を余裕をもって聞ける。



––––そうか。paruと会うといつも安心感を感じるのは,paruがずっと大切に作ってる自分の時間があるからなのかなあ。

paruはすごく聞き上手だよね。


えー,ありがとう。たまに人からそういうふうに言ってもらえることがある。

話を聞くのは好きなんだと思う。 話すときはばーって話すけどね。


聞くときに特に意識してるっていうわけではないんだけど,人の意見をあんまり否定したくないなっていうのはある。

自分の中の価値観と相手の価値観は違うだろうし。結局は相手が決めることだから。


自分も人に話すと整理できることが多いんだよね。



––––確かに,paruは,私が整理しているのを見守ってくれるイメージがある。

だから何でも話せるんだなあ。いつも穏やかに聞いてくれてホッとする。


言いやすい相手って思ってもらえるのはすごく嬉しいよ〜。 話を聞くのは好きだと思う。

でもいつも穏やかというわけにはいかないけどね。切羽詰まってる時とか,人一倍,焦ってしまうし。

だからこそ,無駄な時間が好きなんだよね。家に帰ってひたすらダラダラしていつの間にか寝落ちしてたり。無駄だけど必要な時間。


絵にあえて残してある余白みたいな感じ。




––––余白かあ……。なるほど,いい言葉だね。



ね。今話してて,自分でもいい言葉と思った。笑


私は余白がある絵のほうが,描かれていることをじっくりと味わえる。

余白がなくて絵でいっぱいだと,全部を見るのに必死でエネルギーを使っちゃって,結局その絵を見て自分が何を感じたのかわからなくなってしまう。


時間的な余白をつくって,心が回復する時間をもつことで,絵をじっくり味わえるし人との関わりにも余裕をもてる気がする。


散歩することや漫画を読むことは,自分の生活の中の余白の部分で無理なくできる好きなこと。

これからもその余白の中を,自分ができる範囲で広げたり,もっと良くしていけたりすればいいな。




––––日常でやることを,いかに自分らしくできるかってことかな。



そう。

「なんか,いいかも」

くらいが自分にちょうどいい。

趣味に全力で打ち込むのもキラキラしてて素敵だけど,私はその趣味を見つけるまでに疲れちゃうから。

自分に無理ない程度にやってみたいことをやりたいな。







インタビューを終えて,paruさんにはこんなメッセージをいただきました。







学生時代に人間関係の悩みも進路の悩みも,いつもそばで聞いてくれたparuさん。

初海外旅行でグアムに行ったり,卒業旅行でイタリア・フランスに行ったり,paruさんとの今までの思い出がたくさん蘇ってきて,居心地のよい友達に恵まれて私は幸せだったな〜と,このインタビューを通してしみじみ思ったのです。




忙しい毎日に追われていても

自分が無理なく過ごせる「余白の時間」を大切にできたらいいな。



みんながすごい!と思わなくても

胸を張って言えるものでなくてもいい。


余白の時間は自分らしくいられる時間。








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