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わさびつんつん日記


久しぶりに友人と会うことになった。

出会う前からもう何かが始まっていて、

会う約束をしたときに友人から来たライン(左)と、その数日前に私が別の友人に送ったライン(右)の趣旨がほぼ一緒なのであった。誕生日プレゼントを買ってあとはまったりお話しできれば良いという。


買い物してご飯なんて、実質ほぼ食べて喋っているだけである。そして、年齢とともに胃のキャパは減っていく。

ご飯のあとにカフェなんて行ったものだから、美味しそうなタルトを眺めながら飲み物を飲むだけになった。周りを見ると、ひとつのケーキをカップルが2人で分け合うカップルがいる。

「一個買って、2人で分ければいいんじゃない…?」

「台湾の時から学んだね、わたしたち…」

大学の時、わたしたちは台湾に旅行した。台湾ではスイーツをシェアして食べるのが普通、というガイドさんを無視して いけるっしょ!と一人一つ頼んだ。ひぃひぃ言いながら食べる羽目になった思い出のかき氷。



「あとさ、私酸辣湯こぼしたよね…」

その旅行で、鼎泰豊という小籠包の美味しいお店で、友人が私のスカートに酸辣湯をこぼしてしまうという事件があった。洗えばいいだけなので、旅行から帰ってきてからすっかり忘れてそのスカートを履いて大学に行った。

それを見た友人が

「あ、その白いスカート、わたしが酸辣湯こぼしたやつ、ごめん、、」と言った。

いいよーと言って私が再び忘れた頃にそのスカートを履いていくたびに、

「あ、その白いスカート、わたしが酸辣湯こぼした…」

と言って謝ってくるので、だんだん刷り込まれてきて、もう忘れることができなくなってしまった。

そういうわけで、私たちの中で、台湾、白いスカート、酸辣湯、この3つは切っても切り離せない関係にまで発展してしまった。九份とか故宮博物院とか屋台とか他にもたくさん定番スポットを巡ったのに、そんな王道を差し置いて一番の思い出、酸辣湯。



さすがに全然お腹が空かないので外に出て歩いた。

歩いていると、コンクリートで窓の少ない、重厚な建物。正面にはお墓がある。なんだろうこの建物。

「葬儀場じゃない?」

たしかに。じゃあ、この建物の名前を当てよう。お互いそれぞれのメモリアルホールの名称を思い浮かべて門まで向かった。


『○○学園 音楽棟』


いやまってちょっと、、、すみません、、さっきの会話だれも聞いてないよね?


夜ご飯、お寿司屋さんで気になるメニューがあった。

「わさびつんつん漬け」

数日前、ツイッターで「ぽかぽか陽気と、ぽかぽか殴るが同じぽかぽかって言葉だなんてクレイジー」というのを見かけて、は!たしかに!とちょうど感動したばっかりだった。

わさびつんつん漬けにも同じクレイジーを感じる。わさびつんつん漬けって響きが可愛い。

「えーわさびつんつん漬け美味しそうだなーわさびつんつん漬け」

頼まなきゃいけない気がして頼んだ。美味しかった。

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