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眠れない夜にモーツァルトを聴いて思い出したこと

更新日:2020年9月22日

kon.


 

実耶,お誕生日おめでとう〜!

花束が素敵だね。

02:00への思いを読んで,キュンキュンしてしまったよ!

1歳になった02:00を大切に育てていこうね。



 


どうも!最近非常に早寝のkon.です。

9時代のドラマを見ているといつの間にか寝ていることもしばしば。

小学生並み(今時の子たちはもっと起きてるか……)の生活をしております。



そんな私ですが,その日は夜中まで目がさえわたっていました。

それも,フジテレビの『逃走中』を見て,ハラハラドキドキしてしまった結果。(しょうもないです。)

いつもは寝ている時間に起きていてはいけない気がして,私は眠れそうな音楽を聴くことにしました。



以前テレビで,「アラームをかける時には必ず歌詞のある曲にするとよい。そうすると歌詞の意味を無意識に考えて脳が起き出し,目が覚めやすくなる。」というのを聞いたことがあります。

ということは,眠りたい時には「歌詞のない,意味を考えない曲」がいいってことなのかな。

そこで私は,普段あまり聴かないクラシックを聴くことにしました。チョイスしたのはモーツァルトのオルゴール集。




そんな流れで,眠れない夜にモーツァルトを聴き始めた私。今回のLetterは「私が眠りにつくまでの時間」のことです。




↑一応モーツァルトです!笑




気持ちよくモーツアルトを聴き始めた私は,1曲目で眠りの世界にひきずりこまれそうになる。

ああ,効果抜群。これはすぐ眠るな……。

早くもウトウトとし始めた時,曲が変わった。

2曲目に流れたのはかの有名な“アイネ・クライネ・ナハトムジーク”。その曲になった瞬間,私はふと懐かしい気持ちになった。

脳裏に浮かんだのは中学校の教室と,ジャージを着て整列する生徒たち。


ああ,この曲,中学校の掃除の時間にかかっていた曲だ。



そこから私は,中学生時代のある1日を思い出すことになる。




私の通っていた中学校は,挨拶運動や掃除に力を入れていた。

誰にすれ違ってもハキハキ挨拶,掃除は一言も喋らずに黙々とやるというスタイルが当たり前のように生徒に染み付いていた。

田舎の自然に囲まれた地域柄か,私たちは中学生にしてはかなり従順であったと思う。


◇自然に囲まれた私の地元




モーツァルト作曲の“アイネ・クライネ・ナハトムジーク”が流れると,清掃の時間の始まり。生徒たちは一斉に自分たちの清掃場所に取り掛かる。

生徒会の役員たちは,教室や特別教室,廊下を見回り,規律ある清掃活動ができているかを確認する。

生徒会の方々の視線を感じながら,モーツァルトの曲以外は聴こえないくらいみんな静かに真面目に(見えるように)清掃活動に励んでいた。




ただ,清掃場所の中で生徒会役員が滅多に見回らない場所があった。

それが体育館裏だ。


その週,私を含め女子4人は,体育館裏を任されていた。黙って掃除していなくても見つからないこの分担場所で,私たちは手には箒を握っているものの,せっせと動かしているのは口だった。

会話の内容は,テストのこと,家族のこと,恋愛のこと……。

他の清掃場所ではできないおしゃべりが,ここではできる。私たちはこのお得な時間を楽しんでいた。




その日,私はテニスボールが落ちているのを発見した。こう見えて(?)私はテニス部だった。

「ねえ,見て見て!」

私は3人に声をかけ,テニスボールを手で放つと,右手に持った箒を一度後ろに引き,ラケットのように振った。箒に打たれたテニスボールが,体育館の外壁に当たり,はね返ってくる。

「壁打ちの練習ができる!」

得意気に披露する私を見て,3人のうちの1人(彼女もテニス部)が

「いいねえ!」

と言って,私が打ったあとのボールを拾い,同じように箒で打った。箒のふさふさしたところではなく,ふさふさと柄の境目にある硬いプラスチック部分で打つことが,上手く打つポイントだ。



そこから4人は,1つのテニスボールを打ち合った。1人がどこかからもうひとつボールを発見し,ボールが2つになると楽しさが増した。

キャッキャと箒で壁打ちをする女子中学生たち。そこには無邪気な光景が広がっていた‥‥。(ような気がする。)




「おめえら,何やってんだ!」



背後からの突然の声に私たちは驚いて振り向いた。

5組のH先生がそこにいた。若い男の先生で,まあまあイケメンだが,ひどくなまっている。

先生は体育の先生だから,体育倉庫に用事でもあったみたい。ジャラジャラとした鍵を手に持っていた。



「すみません。ボールを見つけたので打ってしまいました。」

バカ正直に言うしかない私。見たそのまんまの説明に

「だめだべえ!掃除しねっと!S先生(私たちの担任)に言いつけっからなあ!」

とH先生。

「はーい!」

「ごめんなさい!」

H先生でよかったと全員思いながら,掃除を再開する。H先生は私たちをしばらく見張っていたが,そのうち帰っていった。H先生が見えなくなると,私たちは肩をすくめてセーフとばかり目配せをした。




「あんた,ちょっと来なさい!」

掃除が終わってすぐ,私は担任のS先生に呼ばれた。どう考えても怒っている声色に,私はすばやく察した。

げげっ,H先生,早速言いつけたな〜!!!



「すみません!今度からはちゃんとやります!!」

先手必勝とばかりに私はキリッと謝った。

S先生は一瞬不思議そうな顔になる。

「何よ。」

「え?H先生から聞いたんですよね?」

「何よ,あんた。H先生に何したの!」

ぎゃ〜!!違かった!!私はあたふたする。が,もう説明するしかない。



「全く信じらんない!ボールがあったら打つって,お前はバカか!」

ピシャッと言ったあと,そこからくどくどとお説教が始まった。

S先生は,私の髪が肩についているのに結んでいないこと(うちの学校の校則でした……)を注意しに来ただけだったらしい。あ〜あ。





ひょんなことから,モーツァルトの曲がきっかけで,中学時代のなんでもない1日を私はふと思い出した。

いや,このくだらない出来事には続きがあったっけ。




その日,家に帰った私は,先に帰っていた小学生の妹にも怒られたのだ。

「ちょっと,おねえちゃん!!!今日箒で遊んでたでしょ!!」

「え??なんで?」

妹の小学校からの帰り道には橋があり,橋からは私の中学校の体育館裏がよく見えた。

その日,妹が友達と帰っていると,少し前を歩いていた同じクラスの男子たちが

「あ,あの人たちなんかしてる!」

「箒でボール打ってる!」

と,橋の上から中学校のほうを見て話していた。妹がその目線を追うと,そこにはテニスボールを笑顔で打つ女子中学生たちがいた。その中には‥げっ!お姉ちゃん!何やってるの‥‥。

妹が不審な目で見ていると,男の先生が来て,姉たちを注意し始めた。

「私,すっごく恥ずかしかったんだからね!!!」

妹が私をとがめる。

ばっちり見られてたのね。とほほ。



◇小学校時代の通学路。

奥に見える橋から中学校が見えるのです。




そんなこんなで,眠れるように「歌詞のない・意味を考えない音楽」を求めて聴き始めた私でしたが,モーツァルトは私の中で意味のある音楽だったらしく,忘れていた中学校時代の記憶を呼び戻してくれました。(おかげでますます目が冴えわたりました。)

音楽が持つパワーみたいなものをしみじみと感じた,夏の終わりの夜でした。





こんな実のないお話を聞いてくれてありがとう。笑

kon.





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